経尿道的手術・尿と病気

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経尿道的手術


経尿道的手術/尿と病気


     
§1  経尿道的手術とは/腹腔鏡下手術/尿と病気


       経尿道的手術とは、内視鏡を用いて泌尿器系の臓器を非侵襲的に手術可能なため、近年広く普及してい

       る術式です。 内視鏡的手術の可能なもので泌尿器系の疾患には、前立腺肥大症、尿道狭窄、膀胱腫瘍

       膀胱結石、膀胱憩室などがあります。











     
§2  前立腺肥大症の経尿道的手術/経尿道的手術/尿と病気


       従来行われておりました直視下レーザー前立腺焼灼術、前立腺生体組織内深部レーザー凝固術にかわり、

       近年では経尿道的前立腺切除術(TUR−P)、ホルミウムヤグレーザー前立腺核出術(HoLEP)が主体的

       な方向にあります。




       
経尿道的前立腺切除術TUR−P)本方式は尿道より、切除鏡を挿入し、電気メスで腫大した患部を切除しま

       す。 合併症として電解質を含まない灌流液が静脈の断端を介して吸収されてしまう事により、電解質の不均

       衡が原因と考えられる低ナトリウム血症や循環血液量の急増などのために、 あくび、冷汗、徐脈、血圧低下、

       悪心、嘔吐などを惹起する。 症状は1時間程度で確認される(発生する)事が多い。この様なケースには、手

       術は中止され、ステロイド薬や利尿薬が投与されます。穿孔を起こす場合は、前立腺被膜に来たす場合が多

       いが、この場合には、灌流液が大量に後腹膜腔に流れ込んでしまいます。そのため、下腹部膨満感、疼痛を

       感じたり、血圧低下を来たします。 この場合も手術は中止され、ドレナージを行い、強力な抗菌化学療法がと

       られる事になります。




       
HoLEPではTUR−Pに比較した場合には、出血量は少ないが最も注意されるべきは、前立腺組織を巻き込ん

       でしまう事故で、 モーセレーターに膀胱壁が巻き込まれて膀胱穿孔起きてしまった場合には、手術は中止され、

       開放手術による修復ドレナージを行います。







     
§3  尿道狭窄に対応する経尿道的手術/経尿道的手術/尿と病気


       尿道狭窄は排尿困難の原因になりますが、尿道炎や交通事故、その他不適切な経尿道操作による術後の瘢

       痕狭窄などの場合には、 経尿道的手術が必要になります。 内尿道的切開術は灌流液を流しながら、外尿道

       口から尿道切開鏡を挿入して、切開するもので短い狭窄なら、数回の切開で尿道内腔は広がる。尿道の広が

       りが足りなければ、 角度を変えて切開操作をします。 手術中に灌流液が膀胱に充満して、灌流効率が落ちる

       のを防止するために経皮的に膀胱瘻を造設する場合もあります。術後2週間程度でカテーテル抜去し、2〜4

       週間は再狭窄の有無の確認が必要です。 再狭窄の確率は10〜50%といわれており、術後の排尿状態を注

       意深く観察する必要があります。







     
§4  膀胱腫瘍に対応する経尿道的手術/経尿道的手術/尿と病気


       灌流液を流しながら、切除鏡で尿道内腔を観察し、切除する腫瘍の位置、 数を特定し膀胱粘膜生検部位など

       を決めます。次に切除鏡に生検鉗子を装着してサンプリング(cold cup biopsy)し、その他1〜2箇所の無作為

       生検を実施します。 次いで切除用ループ電極で膀胱腫瘍を切除します。 切除は筋層までしっかり取り除きま

       す。 切除面は深達度判定用病理組織検査に供するためのcold cup biopsyを施行して、熱変性の影響を受け

       ない部位をサンプリングする。 膀胱壁に穿孔を認めた場合には、 手術は早期に終了し、適切な検査機器によ

       り穿孔部位、程度を確認します。灌流液が大量に腹腔内に流入している場合には、ドレナージを行います。






     
§5  膀胱結石に対応する経尿道的手術/経尿道的手術/尿と病気


       膀胱結石は大きな石の場合、経尿道的膀胱砕石術の対象ではありませんでしたが、技術の進歩により、砕石

       が可能になりました。 モニター下での光学視管を装着した砕石器で砕石したり、ホルミウムレーザープローブ

       を通して砕石する場合もあります。 砕石は機械的破砕の砕石鉗子や、圧搾空気、レーザーエネルギーによる

       ものなどがあります。 膀胱鏡で膀胱内を観察し、 結石の位置と数を特定し、モニター下で砂状に砕石します。

       排石は膀胱鏡の外筒を通して洗浄排石となります。 膀胱結石の場合、原因疾患を持っている場合(神経因性

       膀胱)なども多く、膀胱穿孔が起こり易い特徴もあります。






     
§6  膀胱憩室に対応する経尿道的手術/経尿道的手術/尿と病気


       膀胱憩室は症状があれば、切除鏡、ナイフ型電極、ループ電極、ボール電極、ホルミウムレーザーなどを使

       用して施術する、経尿道的膀胱憩室切開術の対象になります。憩室はその構造上、壁が薄くなっており、穿

       孔の可能性も高くなります。











     
cold cup biopsy;TURによる切除面はhot biopsyといい、熱変性を起こしており、病理組織診には不向きです。

     colt cup biopsyによる生検鉗子では、熱変性を起こさないために、実態組織の状態を確認できます。








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